幻想郷食料事情考察 〜嗜好品〜

目次

珈琲 / / 煙草


珈琲

結論:幻想郷での珈琲の木の栽培は難しい。
代用珈琲が主流か。



  珈琲はアカネ科の常緑樹『コーヒーノキ』の種子から作られる。
  この木は熱帯地方原産であり、また現に世界の珈琲の主要な産地は
殆ど全て赤道沿いの熱帯地域である。

  日本には江戸時代に長崎を通じてもたらされた。
  沖縄や小笠原地域でなら路地栽培が可能であるが、規模は小さい。
寒さに弱い植物であるから、冬季に欠かさず積雪が観測される山深い
幻想郷では、路地栽培は難しいと考えられる。
  幻想郷の人間にハウス栽培を行う事が可能であろうか?
  妖怪の山の科学力ならば可能かもしれない。


  実現可能か否かいまいち不明な珈琲は置いておいて、
『代用珈琲』を挙げてみることにする。
  代用珈琲とは、つまり「珈琲豆以外の原料で作る珈琲みたいな味の飲み物」である。
  珈琲豆が高価な時代に庶民が考案したとされる。

    タンポポの根、ゴボウ、ジャガイモ、ユリの根、桜の根、カボチャの種、
    ブドウの種、落花生、大豆、ドングリ、オオムギ、トウモロコシ、チコリの根、
    玄米、etc...

  結構な種類があります。どれも幻想郷で栽培可能かと。


結論:栽培は可能。
だが種類は少ないはず。



・チャノキ
  世界的に『茶』と呼ばれている嗜好品の中でも、
ツバキ科の常緑樹『チャノキ』から作られる茶についてまず述べることにする。
  幻想郷でも、紅茶と言えば紅魔館、日本茶と言えば博麗神社…
とありふれた嗜好品として広まっている。

  茶にも色々あるが、その茶葉の発酵をどれだけ進ませるか、
どのような発酵をさせるかによって、種類が大別できる。
  発酵は、茶葉の中に元から含まれている酸化酵素の働きによる。
  以下、茶の種類を分類する。

  1. 緑茶 (不発酵茶):発酵を行わない
  2. 白茶 (弱発酵茶):少し発酵させる
  3. 青茶 (半発酵茶):ある程度発酵させる、ウーロン茶はこれに含まれる
  4. 紅茶 (全発酵茶):茶葉を完全に発酵させる
  5. 黄茶 (弱後発酵茶):白茶と同じ工程を行った後、軽く発酵させる
  6. 黒茶 (後発酵茶):コウジカビによって発酵させる、プーアル茶が含まれる
  さて、幻想郷で茶の栽培は可能か。
  これには、幻想郷の気候条件をまず把握しなければならない。
  その前段階として、「幻想郷は日本のどの辺りにあるのか」を
こちらで考察しているので参考にして頂きたい。

  茶葉も、栽培するなら温暖な地域の方が良い。
  例えば紅茶のアッサム種などは北緯30度以南の地域が栽培に適している
と言われており、日本では沖縄周辺しか含まれない。
  だが、日本の商業用茶葉栽培の北限と言われている地域がある。
  新潟県の最北端、村上市である。
  この村上市、つまり位置的には北緯38度が日本の茶の生産の限界だ。
  この辺りとなると、山形県山形市や宮城県仙台市などがほぼ同緯度である。

  …おや、地理考察で述べた、幻想郷の位置の最北県が
山形県や福島県辺りだったはず。
  つまり、幻想郷が存在する可能性のある地域内で、
茶の栽培は可能だということになるのだ。

  だが、種類はあまりないだろう。
  茶葉の発酵に必要な酵素『タンニン』を茶葉の中に十分に生成させるには
強い日光…紫外線が必要なのである。
  つまりビニールハウスがあれば解決する訳ではない。
  十分な酵素の生成にはあくまで熱帯に属する気候が必要なのである。

  紅茶の種類を揃えたいのならば、幻想郷外から輸入(?)するしかないのかもしれない。


・チャノキ以外の茶
  チャノキ以外の原料からも、通称「○○茶」と呼ばれる嗜好飲料ができる。
  麦茶、ハトムギ茶、そば茶といった穀物系のもの。
  笹茶、竹茶、杜仲茶、甘茶、ドクダミ茶といった葉系のもの。
  いろいろある。
  これらは幻想郷でも生産可能であろう。


幻想郷各地のお茶
筆者のイメージ図。
咲夜は紅茶。    霊夢は煎茶。     幽々子は抹茶。
美鈴は中国茶。インド人キャラがいたらチャイだったのに…。
魔理沙は…珈琲。ただし砂糖とミルクたっぷり。

煙草

結論:栽培は可能。


  ナス科タバコ属のタバコの木の葉から生成される。
  特に栽培に問題は無い。
  日本国内でも、九州から東北まで、広く栽培されており、
日本の在来種である種類もある。

  『書籍文花帖』にて、香霖堂に水煙草が入荷したとの記述もある。
  でも彼は吸わなそうだ。


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