まず、幻想郷において人間が死んだ場合
どの様なルートを辿るのか、をまとめてみよう。
- 死去
近年は火葬が増えてきたらしい。(『東方香霖堂』第3話より)- 中有の道を通り、三途の河へ
- "手持ちの全財産"を船頭に渡し、彼岸へ渡る。
"手持ちの全財産"とは、生前親しくしていた人が
その死者の為に使ってきたお金の合計だという。(『東方求聞史紀』小町の項より)- 彼岸で閻魔様の裁判を待つ
- 地獄へ向かい、閻魔様の裁判を受ける
此岸の各地域ごとに閻魔様が割り振られているシステム。- 天界行き・冥界行き・地獄行きのいずれかの判決が下る
- 天界行き
輪廻の輪から解脱し(つまり成仏し)、永遠に暮らす。
表向きには、天界は天人の人数が増え過ぎて飽和状態になっており
現在、天界行き(成仏)は制限されている。
(『東方求聞史紀』冥界の項注釈、『東方緋想天』妖夢ルート及び紫ルートより)- 冥界行き
天界行き(成仏)、または転生となるまでの間に霊が留まる。- 地獄行き
一時的に輪廻の輪から外され、地獄の鬼達に罰を与えられる。
(『東方求聞史紀』彼岸の項より)
一定の罰を与えられた後は輪廻の輪に戻り転生する。
以前までは求聞史紀にて触れられている程度であったが、
『東方緋想天』によりさらなる情報が明かされた。
以下、おおよその情報をまとめる。
- 天界は冥界の中の、遥か上空にある(『東方求聞史紀』天人の項より)
- 天界は大昔に地上に挿さっていた要石(『東方緋想天』鈴仙エンディングより)
- 天界は現在天人が飽和状態にある為、成仏を制限しているというが
しかし実際には、天界が過密状態になる事を嫌い
適当な事を言って成仏をさせないようにしているだけ
(『東方緋想天』紫ルート及び妖夢vs天子勝ち台詞より)
- 天人は仙人と同じく、地獄からの“お迎え”の死神を負かし続け
寿命を先延ばしにしている
(『東方緋想天』小町ルートより)- 世俗を捨てたり欲を捨てる必要は必ずしもなく、
顕界での功績により天人になったりする事もある
(『東方緋想天』天子キャラ設定より)- 毎日歌ったり踊ったりお酒を呑んだりして生活している
- 天界の食べ物は質素で味もアレだが、身体を鍛える効果がある
(『東方緋想天』天子ルート及びエンディングより)
天界と地獄の中間にある場所であり、霊達の待合場所のような世界である。
以下、おおよその情報をまとめる。
- 幻想郷の上空、雲の上(もしくは中)に存在する。(『東方妖々夢』より)
- 雲中の楼門が出入口であるが結界が張られている。
しかし単に門の上を飛び越せば中に入ることができるという淡い結界。
加えて、現在は霊夢の所為で結界自体に穴が空いている。(『東方妖々夢』より)- 罪の無い死者が成仏するか転生するまでの間を幽霊として過ごす世界
(『東方求聞史紀』冥界の項より)- 冥界の幽霊の管理を生業とする名家・西行寺家の住まいである「白玉楼」が建つ。
現当主は西行寺幽々子。
彼岸の中心地であり、霊の裁判と輪廻の管理を行う組織「是非曲直庁」がある。
また、言わずと知れた「地獄の責苦」を行う更生施設を有する。
以下、おおよその情報をまとめる。
- 三途の河を渡った先に存在する。
- 閻魔様、死神、鬼などから構成される公的組織「是非曲直庁」が存在し、
死んだ全ての霊の審判と輪廻の管理を行っている。- 組織は、十人の閻魔様(十王と呼ばれる)をトップとし、
その下に裁判長と鬼神長が配置される。
裁判長は霊を裁判を行う役職で、部下に死神を持つ。
死神は裁判の補助から彼岸の運営まで幅広く携わる。
また鬼神長は地獄の拷問施設の管理者であり、部下に鬼を持つ。
(『東方求聞史紀』死神・閻魔・彼岸の項より)- 通常言う所の「地獄」を有する。
広大かつ多種多様な設備、人員を持つ為に資金繰りが厳しく、
現在は「地獄のスリム化」を目指した構造改革により以前よりも規模を縮小して運営している。- 上記改革に伴い、従来地獄の一部であった土地に空きが生じた。
「旧地獄」と呼ばれる地域がそれに当たる。
関係者からは「旧都」と呼ばれている地底都市や、灼熱地獄がそれに含まれ、
現在は、忌み嫌われた妖怪の受け入れや地底の怨霊の管理を行う
「鬼」などが旧都に住んだり、
また旧地獄の灼熱地獄跡に建てられた「地霊殿」に
地底に残った怨霊の管理を行う妖怪を配置するなどして対応している。
(『東方地霊殿』より)
さて、人間以外はどうなるのだろうか。
妖怪は「死ぬ」ことがある。
『東方花映塚』において四季映姫が各人に説教した中に妖怪が数名いるが、
「私が貴方を裁いたら地獄行きにする」と宣告された者がいる。
だが、本当に死んだら彼岸行きになるのか、それとも単に脅し文句なだけなのか不明。
輪廻転生をするのかも不明。
だが、妖怪も死後は人間と同じ様に彼岸に行くのだとしたら、
人間と同じ様に輪廻転生すると考えられる。
妖精はどうであろうか。
『東方求聞史紀』において、
妖精は厳密には死ぬことがない、と述べられている。
自然の具現化である妖精にとっては、
自然の四季の移り変わりそれ自体が小規模の輪廻転生なのであって、
例えば春に誕生し、初夏頃に死に、また次の春に復活する妖精もいるのではないか。
『東方花映塚』チルノルートにおいて四季映姫が彼女に
やはり地獄に落とすぞーという宣告を行ったが、
彼女はそれを怖々「そんな脅しには乗らない」と否定している。
また、『東方三月精』においても、死んだ妖精に対し
「一回休み」という表現を使用している。
妖精は人間のような「死」や「輪廻」が無いと言える。