東方関係旅行記 諏訪大社

目次

諏訪大社


諏訪大社

去る2007年10月25日。
長野県諏訪地方へ行ってきました。

もちろん、『東方風神録』の元ネタとなった地です。

一人で日帰りでの事なので、どこまで行けるか心配でしたが
主要な場所は行けたと思います。


さて、地元群馬県から高速道路に乗り、
いくつものJCTを越えて長野道岡谷ICから降ります。

まず向かったのは……
諏訪大社下社春宮
諏訪大社下社春宮です。

春宮結びの杉1

春宮結びの杉2
結びの杉がそびえ立っています。

春宮幣拝殿
春宮の幣拝殿。
本殿はありません。
なぜなら諏訪大社には人工物の御神体が無いからです。
木や石などの自然物に降臨するミシャグジ信仰の名残で
諏訪大社の御神体も自然物です。
下社は御神木を祀っています。

春宮御神木
これが、春宮拝殿の裏。
御神木が(1本、塀で囲まれて)祀られているのが判ります。

忘れちゃならないのがオンバシラ。

春宮一之御柱
↑春宮一之御柱

春宮二之御柱
↑春宮二之御柱

春宮三之御柱
↑春宮三之御柱

そして、御神木の写真に写っているのが、春宮四之御柱。

社には4本の御柱があり、

拝殿の四隅に立てられています。

春宮筒粥殿1

春宮筒粥殿2
ここが、春宮の『筒粥神事』が行われる筒粥殿。

占いの対象は44種あって、それぞれ
うぐいすな・わせおおむぎ・なつだいこん・おおむぎ・じゃがいも・くわ・はるご・わせこむぎ・こむぎ・えんどう・
いんげん・ささげ・なすび・諸瓜・あさ・とうきび・ゆうがお・とうがらし・なつご・あきご・かき・さといも・りんご・
かりん・なし・わせいね・なかて・もち・おかぼ・たばこ・あわ・ひえ・きび・だいず・あずき・あきだいこん・にんじん・
ごぼう・かぶら・つけな・そば・おくて・ながいも・世の中
です。

春宮神楽殿
最後に、春宮の神楽殿を撮る。
これで、下社春宮は見終わったかな。


お次は……

諏訪大社下社秋宮
諏訪大社下社秋宮です。
春宮よりも盛況のようです。

秋宮神楽殿1
観光客の老夫婦。
……じゃなくて、秋宮神楽殿。
神奈子のスペカ発動時の背景です。

秋宮神楽殿2
さて、お参りを。
秋宮神楽殿3
判っていますよー。
弾幕祭りの開宴です。

秋宮幣拝殿
こちらは、秋宮の幣拝殿。
春宮とほぼ同じ外観だそうです。

秋宮一之御柱
そして、御柱。
面倒なので、他の3本の写真は省略……。

秋宮には下社の宝物殿がありました。
軍神だけあって、戦に関するものが多かったです。


さて、次に向かうのは……。
秋宮に詣でた後、諏訪湖の東岸を20号線で南下します。
上諏訪駅にも近い街中。
そこにあるのは……

手長神社鳥居
手長神社です。
山の上に建っているので、階段を登る登る……。

手長神社拝殿
名前の通り、手(片幣殿)が長い、横長の拝殿です。
意外と立派でした。
境内社が沢山あったのも印象的。

祭神は手摩乳命【てなづちのみこと】となっていましたが、
おそらく古代より祀られていた地主神『手長』様が元々の祭神ではないでしょうか。
そして『手長』様も元々はダイダラボッチの様な土着神話が由来だと思われます。

手長様に参ったのだから、次に行ったのは……

足長神社拝殿前
足長神社です。

足長神社
こっちも山の上に建っているのですが、勾配がキツイ。
神社裏手にある公園に車を停めて行きましたが、
参道の階段はその遥か下から続いていました。

こちらも、なかなかご立派。
祭神は手摩乳命の夫神・脚摩乳命【あしなづちのみこと】。
そして、元々は足長様でしょう。

ここで、公園で買っておいた昼食を摂る。
まだまだこれから、です。


お次は……期待も大きいここです。

諏訪大社上社前宮
諏訪大社上社前宮。

うん、新緑が萌え、なかなか綺麗な場所です。
というか、神社の周りが基本的に山と森と畑です。

……ですが、ここでデジカメの機嫌が悪くなりました。
無事に直ったみたいですが、
焦ってた所為で『十間廊』を撮り忘れました……orz

前宮は、緩い登り道を登って行きます。

途中にはこれが。

前宮御室社1

前宮御室社2
前宮御室。
ミシャグジさまですよミシャグジさま。
蛇の姿をしていたとされるミシャグジさまにあやかり、依代の大祝【おおほうり】様が冬籠りした場所らしいです。
参道の両脇には、昔は大祝様のお屋敷が建ち並んでいたとの事。

そして、

前宮拝殿1
前宮の拝殿です。
前宮拝殿2
社の裏手はのどかな山々が広がっています。
てか、これこそが御神体の守屋山。
神奈備です。

前宮神殿跡
"前宮神殿跡"
なるほどなるほど。
これのことか。

さて、前宮にはこれがあるのです。

水眼の清流1

水眼の清流2
水眼の清流。
EX中ボスです。

前宮周辺
清流は守屋山の方から流れてきます。
ちなみに、この写真には手前と奥に前宮の御柱が。

一応言っておきますが、
今まで紹介した神社には全て御柱が4本立っております。
これから紹介する神社も殆ど全て御柱が立っております。
どんな小さな社にもです。
ここら辺が諏訪っぽい。


さて、前宮に参拝したし、お次はどこに行こう……。

やっぱり、守屋山かな!

諏訪大社上社の神体山・守屋山。
その山中にあるという守矢神社。
守矢の神社とくれば、行かない訳にはいかないでしょう。

時間が惜しいところですが、山道を延々と登っていきます。

……お。
ここか…………

守屋山神社

……はあっ!??
何これ!?

どうも、この一帯が別荘地とか開発地みたいな感じで
新しく作られたみたいです。
……それにしても……ダサイ!!
高床式!?意味判らない!
何より、風情が全く無い!

もしかしてボクは場所を間違えた!?
それとも、これが守矢神社の成れの果て!?

絶望した!

守屋山の山頂には守矢神社の奥院があるらしいですが
流石に山登りしている訳にはいきません。

くそぉ!時間の無駄だった!

さて、山の麓に戻ってきました。
気を取り直して行きたいところです。
ここからは本宮を含めていろいろ近いのですが、
だからこそ、遠くの方から攻めてみました。

諏訪市の南に位置する茅野市。
そのさらに南にあるのが諏訪郡富士見町。

そこにあるのが……

上社御射山社1
御射山【みさやま】神社。
『御射山狩神事』が行われていた場所です。
一帯が杉林になっていて、境内が全て林の中にあります。
雰囲気がとってもいい感じ。

上社御射山社2
狩神事は、諏訪大社の『御頭祭』で捧げる獲物を獲る儀式。
殺生ご法度になったご時世でも、
諏訪大社の狩神事だけは特例として許すという法律まであったほど。

上社御射山社本殿
この神社は、上社の御射山狩神事が行われていた場所です。

下社の狩神事が行われていたのが、
霧ヶ峰山麓・下諏訪町東俣にある『旧御射山神社(遺跡)』です。


さて、
諏訪市方面へ戻るとしましょう。


その途中、茅野市の街中にお目当ての神社があります。
それは……

葛井神社1

葛井神社2
葛井神社。
そしてこれが
葛井の清池
葛井の清池です。
神社の裏にあります。

言い伝えでは静岡の方の池にまで繋がっていると謂いますが……。


さて、そんなこんなした後で、もう一度元来た道を戻ります。
上社前宮です。

ですが、目的地はここじゃあありません。
すぐ近くにある前宮公園。
ここには、『七木』の一本があるのです。
まだ存命の七木はこれくらいなのではないでしょうか。

前宮公園のグラウンドに入って行き、
右にある山の斜面にグラウンドにそって山道があります。
これを登っていくと、東屋がありますので、
その近くにある右に折れる道に入っていきます。
森の中に静かに佇む、それは……

峰タタエ1

峰タタエ2
峰タタエのイヌザクラ。
かつて大祝がミシャグジ様を降ろしたとされる七木の一つ。

雷が落ちたり、風で枝が折れたりといろいろあったみたいですが
その老木はまだ確かに健在でした。

いいねぇ。これ。

神秘的。

さあ、そろそろ15時の頃合いでしょうか。
急がなくては、日が暮れる。

向かった先は、有名なココ。

守矢資料館1
神長官守矢史料館。

守矢家の邸宅のすぐ近く……いや、敷地内かな?
に佇む凝った造りの建物です。

諏訪大社と言うと大祝の方ばかり説明が多いですが
こちらも忘れる訳にはいきません。

行くと、館長さんに「建築関係で来たのですか。」
と聞かれましたが、
ボクは「歴史関係で。」と返しておきました。

守矢資料館2
内部は『御頭祭』の供物のレプリカが目を惹きます。
凄まじい光景です。
流石は原始宗教の流れを残す諏訪神道。

ちなみに、ここで『神長官守矢史料館のしおり』を購入。
現守矢家当主・守矢早苗さんによる守矢家の歴史が載っています。

そして、近くにはこれが。

守矢家みさく神社1

守矢家みさく神社2
守矢家みさく神社。
ミシャグジ様を祀った社です。
ミシャグジ様が降臨するご神木が御神体でした。


この後に行ったのが、諏訪市博物館。

一応行っておこう、という程度のノリでしたが
やはり興味深いものが多かったです。
特に、御柱祭や御神渡りの映像がビデオで見れたのは嬉しいです。

それと、どうやら諏訪にはダイダラボッチの伝説があるみたいです。
有名な『天地創造の巨人(神)』の一種ですが、
諏訪らしいと言えばらしい。

それに、足長手長がタケミナカタの家来、と説明されていました。
中央神話に中途半端に取り入れられた結果でしょうか。
そもそも手長足長も、ダイダラボッチと同じ天地創造神である場合があります。
天地創造……というか、地形創造、ですかね。
ミシャグジ様と同じく、古い宗教の名残なのです。


さあ、次の目的地が最後です。
お待ちかねのこちらです。

諏訪大社上社本宮
諏訪大社上社本宮。

諏訪大社4社の中でも最も大きい神社です。

本宮拝殿
拝殿です。
ですが直接は近付けません。
遠くからお参りします。

本宮御柱
御柱の説明。

天流水舎1

天流水舎2
天流水舎。
『お天水の奇跡』です。
舎の真上に木の枝葉が伸びており、
「葉に付いた朝露なんかが滴り落ちて屋根に落ちるんじゃないか。」
……と、赤の他人の観光客のおじさんと語り合いました。

さて、上社本宮には『七石』の内の二つがあります。

本宮御沓石
これが、御沓石。

本宮硯石
これが、硯石。
奥の方の山の斜面上(この位置からだと屋根の上に見える)に
柵で囲まれているヤツです。

本宮境内図
これが、上社本宮境内図。
御神体は守屋山。
境内から見て硯石の方向が守屋山の方向です。
しかし、ここ本宮の拝殿はなんと守屋山の方を向いていません。
90度回転した方向を向いているのです。

元々は境内から硯石を目印として守屋山へと祈りを捧げていた筈ですが、
現人神である大祝へ信仰の対象が移った事で
拝殿は御神体山からそっぽ向いてしまったらしいのです。
(拝殿の先には神域である林があり、その中で大祝が儀式を行っていた。)
鳥居と拝殿も90度ズレています。

なんとも独特な神社でした。

さて、これで諏訪旅行は終了致しました。
欲を言えば下社御射山神社跡にも行きたかったのですが
如何せん時間が遅すぎて暗く、しかも遠いため断念しました。

諏訪湖
最後に、諏訪湖をパシャリ。

折りしもその晩は満月。
満月光線を浴びつつ、故郷へ向けて帰路についたのでした。


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